Coaching Potential

ピラティスと脳とコーチング

私は運動音痴で、小さい頃は運動会の前になるとてるてる坊主を吊るすのではなく、中止にならないかと雨乞いをしたい程でした(もちろんそこまではしませんでしたが、笑)。

そんな私が唯一楽しんで続けているエクセサイズがピラティスです。ピラティスは1920年代にドイツ人のピラティスさんが開発したエクセサイズ、もともとは戦争で怪我をした兵士のリハビリ用のメソッドでした。

リハビリ用なので動きがゆっくりであるという事が私でもできる理由の一つではあるのですが、そのゆっくりの動きをどれだけ正しく行うのかという事がピラティスのポイントで「考えるスポーツ」とも言われています。何を「考える」かというと、インストラクターから指示された動きがどの筋肉を使う動きなのかということを意識したり、足のエクセサイズでも例えば全身に一本芯が通っていることを意識する事が動きの質に関わってくるのです。

つまりピラティスでは意識することが大切で、体を動かしながら脳にアクセスしているようなエクセサイズだと私は認識しています。多分他のスポーツも意識は大事なのでしょうが、ピラティスは動きそのものがゆっくりでそんなに筋肉に負荷がかからない分、体と脳の結びつきを「考える」余裕が出てくるのかもしれません。

近所に体の歪みを直す整体の先生がいますが、その先生は短い間隔で10回治療に行くことを勧めます。それは正しい体の位置を脳に覚え込ませるためだという事です。そして私が通うピラティススタジオにもこんな看板が!やっぱり脳に新しい体の在り方を覚え込ませているんですね。

ピラティスの1時間のプライベートレッスンが終わると背筋が真っ直ぐになり、今まで「自分」はこんな姿勢でこんな背の高さだと思っていたものが、もっと空間に四肢が伸びている感じがし、大げさかもしれませんが物理的な「自分」が再定義された気がします。

いつもと違った意識をすることで新しい在り方を知る、というのは実はコーチングととても似ていると最近思います。

私たちは「自分」ってこんな感じの人と信じているものや、自分にとっての当たり前がありますが、コーチの様々な問いかけから「本当にそう?」と視点を変えたり広げたりして今までと違った意識を持つことで、「自分」が再定義されて新しいやり方や考え方を身につけていく。

でも私たちは長年慣れ親しんだものにすぐ戻るから、コーチともしくは自分との対話を続け新しい自分を脳に覚えていてもらう。これって本当にピラティスのレッスンでやっている事と似てるな〜って最近思うのです。