Coaching Potential

感情と向き合う

コーチングスキルを磨くために受講しているクラスで、感情の重要性というテーマについて話し合いました。感情とは、自分にとって大事な事を教えてくれるもう1人の自分という言い方があるそうです。

確かに私たちが嬉しいと感じる時は、自分にとって大切なことが満たされている時ですし、何かしらモヤモヤする時は逆に自分にとって大切なことが手に入らない、否定されているように感じる時が多いですよね。どうでも良いことに対しては感情的な反応はしないものです。

脳には感情を司どる部分と理性を司どる部分があり、感情が司どる部分がアクティブに働いていると理性的には考えられません。これは脳の仕組みを教えてもらわなくても私たちは経験から知っていることです。特に仕事では理性的な判断を求められることが多いと思いますので、極力仕事では感情的になる事を避けようとします。

感情的になって思いにまかせて発言したり行動したりすることは良くないですが、感情が自分にとって大事なことを教えてくれる存在なのだとしたら、感情を押し殺すことはせっかく何か大切なメッセージに気づく機会を失ってしまうことになります。

そこで、私はコーチングでもクライアントさんがある状況に感じてどの様に考えているかだけではなく、感じているか、つまり感情も聞くことがあります。どの様に考えているかという問に対してはスラスラと答えるクライアントさんでも、感情に関する問になると言葉少なくなる方が多いです。普通の生活や仕事で、自分の感情について注意を払う、そしてそれを言語化するという機会はあまりないと思いますので無理もないことです。

感情とは何かに対する脳の反応ですから、大切なのは感情そのものよりも、自分の何が感情的反応を起こしているかということです。感情の奥には自分の価値観や信念、倫理観、“〜でなければいけない”と自分が信じていること、今やりたいと思っていること、不安に思っていること、など様々な情報が詰まっています。

私もコーチングを学び始めた頃に、自分がコーチから感情に関する質問を投げかけられると困ったものでした。でもコーチングの学びを続けるにつれて、自分の感情に目を向けるようになり、今では聞かれなくてもこの何となくザワっとする感覚は何だろう?と自らそこに何があるのか見に行く様になりました。

まず自分はどんな感情を感じているのかを書いてみます(イライラ、不安、緊張、やるせなさ、などなど)。そして何がその感情を起こさせているのかを書きます(自信がない事を指摘された、一生懸命やったのに努力を認められなかった、考えを否定された様に感じた、などなど)。ともかく頭に浮かんだままに書いた後に、自分が書いたものを読み返してみます。

この感情を書き出すという作業ですが、感情的な反応を引き起こしたことの根本的問題解決にはならなくても、自分に何が起きたのか、どうして起きたのかと理解するだけで、グッと落ち着きが増し、時には違った見方(相手も焦ってたんだな、自分にとって本当に大事なことだったんだな、などなど)違った見方ができることもあります。お試しあれ!