コーチ仲間に勧められ「13歳からのアート思考」という本を読みました。
著者はアーティストは作品を生み出す過程で次の3つのことをしていると書いています。
1)「自分だけのものの見方」で世界を見つめ
2)「自分なりの答え」を生み出し、
3)それによって「新たな問い」を生み出す
この思考プロセスがアート思考と呼ばれ、美術に興味がある人だけではなく、大人の学びの場においても注目されている思考プロセスだと書かれています。と、いうのもSNSやAIによって私たちはどんどん知識や情報を与えられていますが、ものすごいスピードで変わっていく今の世界では正解というものはなく、必要なのは正解を見つける力よりも、自分で物を考える力や自分なりの視点を持つということが大切だということです。
自分が興味を持ったせいか最近立て続けにアート思考やアートを通して何かを感じる、というようなイベントが目に入ります。ChatGPTなどAIがドンドンと身近になってきて、それでは人間の価値はどこで出せば良いんだということになった時に、正解は出ない中で思いを膨らませるというアート思考のようなアプローチが注目されているのでしょう。
私は絵を見るのが好きなのですが、あまり知識はないので、絵を見る時に解説文やオーディオ解説から絵を見るヒントを得てきました。解説によるインプットで見どころがわかってみると一段と絵の魅力が深まる気がしていましたが、それでは確かに自分なりの見方は育たないかもしれませんね。
ちなみにこの本の著者は解説を見て絵を鑑賞することを否定しているわけではないのです。ただ絵を見て自分がどう思ったか、どこからそう思ったかということを振り返ってみることで、自分なりの感じ方や物の見方が育まれるということです。
そして絵を見てともかく感じたことを口に出してみるアウトプット鑑賞というのを勧めています。実は先日その本を紹介してくれたコーチ仲間と、ルノアールとセザンヌの作品の展覧会に行った時に、絵を見てそれぞれが感じたことを口に出してみるというアウトプット鑑賞を試してみました。
例えば同じ花瓶に生けてある花を描いた作品でも、ルノワールの絵は彼が描く人物像と同じような柔らかさや暖かさがあると感じ、セザンヌの絵は直線的だと感じました。そして友人に「どこからそう感じたの?」と問われると再び絵に注意を向けルノワールの絵は色のグラデーションが細やかで花瓶も輪郭が描かれていないけど、セザンヌは〜という具合に何故自分はそう思うのだろう?と思いながら絵を見ると先ほどは見えなかった部分が見えてくるのが不思議でした。
又、人によって注目する点が違うこともわかり、それが刺激となり、自分の見方もドンドン自由に広がっていっていつもとは違う体験となりました。
私にとって絵を見ると画家のエネルギーを感じる気がして、絵の前に立った時にどのようなエネルギーが伝わってくるのかを楽しみにしています。なので絵を見ることはある意味何かを受け取る一方通行なものと思っていましたが、この本を読んだおかげでその絵から何を感じるかという見るサイドとの対話のようなものもそこにはあるかも、と思えてきました。