今日は書籍のご紹介です。ブレネー・ブラウンというアメリカ人の大学院教授による著書で英語の題名はDaring Greatlyと言います。
もう随分前に読んだ本なのですが、最近参加した読書会で又読む機会を得て、つい先週読み終わったばかりです。自分の中で余韻のようなものが残っているので、それが消えないうちにご紹介しようと思いました。
自分の欠点や傷つきやすかったり脆かったりする自分を相手に見せることによって相手とのつながりを強くすることができると著者は述べています。「弱さ」を認めるという言葉が出てきていますが、そんな完璧ではない一面を見せるということは本の中では「生身をさらす」ことだと書かれています。こんな事を言ったらどう思われるかな、とある程度リスクを伴う局面で、勇気を持って自分を見せて相手と関わっていくことの重要性についても著者は言及します。
そして私たちは人にはそんな「生身の自分」を見せてほしいと願いながら、自分を見せるのはとても怖く、自分が傷つく可能性があるとそのインパクトを最小限にしようとさまざまな防御をするとのことです。
こうしてこの本のメッセージをまとめようとすると、なかなか一言でまとめられないことに気づいたので、ご本人がアメリカのTEDというコンファレンスでこの内容についてプレゼンテーションをしていますので、良かったらそちらも見てください。
https://digitalcast.jp/v/11750/
この本は出版されて10年以上が経っていますが、この10年のトレンドとしてリーダーや組織に上にいる人でも、「生身の自分」やその人らしさを見せることが人の心を動かすことになるのだと言われてきています。リーダーというと「強く引っ張ってくれる人」「何があっても動じない人」が理想的と思うかもしれませんが、そういう面だけではなくどこか人間らしさを感じさせる人、人として共感できるいわゆる「人間力」も理想のリーダーには大切な要素です。
この本を読んで、当たり前ですが誰もが完璧に自信を持って生きているわけではなく、色々な悩みやコンプレックスを抱えていること。そしてそれを抑えつけるのではなく、少し人と分かち合ってみることで逆に脆い自分と向き合えるのではないかという勇気を得ることができました。
抑えつけようとして虚勢を張ったり、なかったことにして無視しようとするとそれに余計な力が使われます。それよりも目の前に出してしまった方が解放される気がするのです。
この本にも書かれていますが、誰にどこまで自分を見せるかということはもちろん選ばなければいけません。誰にでも素の自分を全開にしようということではありません。
でも目の前の相手とつながりたいと思ったらほんの少しの勇気を持って「生身の自分」を見せてみると関係の質が変わってくるのではないかと感じました。