3年ほど前にSearch Inside Yourself(サーチ・インサイド・ユアセルフ)というマインドフルネスを取り入れたリーダーシップ開発のプログラムに参加して以来、マインドフルネスの世界を探索しています。
マインドフルネスとは「気づいていること」(“being aware”)と定義され、心や体や周囲の状況にその瞬間に起きていることに好奇心と優しさを持って注意を向けることと説明されています。
「気づく」力を開発するために有効なのが瞑想です。瞑想というとなんとなく宗教っぽい感じや、気が散ると竹刀で叩かれる修行のようなイメージがありますよね。周りの人に瞑想を日課にしている、というと怪しい人のように思われるのではないかという不安もちょっとあったりします(笑)。
マインドフルネスとは「気づいていること」なので、瞑想の目的も無になることではなく、自分や周りに何が起きているのかということにただ気づくことを目的とします。そのためにはリラックスはしているけど、気づく程度に意識が明晰な状態がベストです。まずは呼吸に意識を集中するのですが、自分の注意が呼吸からそれたら(容易にそれます)“あ、今注意がそれたな”ということに気づき又注意を戻せば良いのです。
それからオープンな瞑想というのもあり、自分の呼吸ではなく、周囲の音(エアコンの音、鳥のさえずり、車の音)や匂い、肌に触れる風の感触などにただ気づくというものです。そしてその時に浮かんでくる自分の思考にも気づきます。ただポイントなのは、どれか一つの現象に深く注意を向けるのではなく、あ、今こんな考えが浮かんだな、と気づいたらそれにこだわるのではなく手放すのです。瞑想のガイドをしてくれる方が“空に浮かぶ雲が又流れていって違う雲が浮かぶように”という言葉を使われます。
私は毎日10分間瞑想の時間を持つことを目標にしていますが(あくまで目標)、本当に10分間でも驚くほど色々な思考や感情が浮かんでは消え、浮かんでは消えていきます。でもそれに気づいて観察する10分間が終わると、なんだか落ち着いた気持ちがしていることが多いです。
忙しいとこの10分間の瞑想の時間を持つことが難しく、今日はパス!となるのですが、本当はそういう忙しい時にこそ、立ち止まって今何が起きていることに気づくことが大切なんですよね。そうすれば忙しさにただ流されるのではなく、少しでも静かなエネルギーを持って物事に対応できるのではないかと思います。
私の場合、コーチングの場で、少しでもそのような安定したエネルギーを持って本当に目の前のクライアントさんに起きていることを観察できるようになるのが目標です。なかなかその境地には行けないのですが、筋トレだと思って毎日地道に「気づく」筋力を蓄えていきたいと思っています。
ちなみにこのマインドフルネス瞑想ですが1ヶ月ほど前にNHKのトリセツショーという番組で取り上げられていました。インタビューなども交えマインドフルネスのメリットがわかりやすく紹介されていましたので、世の中的にも怪しいというイメージは払拭されてきたのかもしれません。
https://www.nhk.jp/p/torisetsu-show/ts/J6MX7VP885/howto/192/